放射線の特徴 2

細胞のDNAに影響する

私たちは、生き続けるために絶えず新しい細胞を作っています。そのためにはDNAという細胞の設計図をコピー(複製)することが必要です。放射線は、DNAに傷をつけたり切断する働きがあります。

DNAに傷がつきコピーに失敗すると、無秩序に増える(増殖する)細胞ができて、がんになることや、細胞が死んでしまうことがあります。

がん細胞が増えるのを抑える

放射線は、正常な細胞だけではなく、がん細胞のDNAにもダメージを与えます。がん細胞は細胞分裂を盛んに行っているため、正常細胞に比べてより大きな影響を受けることが知られています。

こうした特性を利用して、放射線を身体の外から照射する、放射線を出す薬剤を注射・内服する、放射線を出す器具を体内に埋め込むなどして、がん細胞を消滅させたり、増えるのを抑えます。放射線治療は、「手術」、「薬物療法」とならんで、がん治療の大きな柱となっています。


★なるほどメモ★ 

日頃、放射線を受けても、なぜ健康被害を起こさないのでしょうか

私たちの身体には、傷ついたDNAを自分で修復する機能が備わっています。通常は、放射線を受けてもこの修復機能がうまく働いて、健康被害は起こりません。しかし、大量の放射線を受けると、修復機能が追いつかず、異常な細胞が増え、がんの原因となることがあります。